• 2026年2月6日

第1回   病院に行くべきか迷ったときに考えてほしいこと

  • 病院に行くべきか迷ったとき、あなたならどうしますか?
  • 「このくらいで受診していい?」に町医者が答えます

「このくらいで病院に行っていいのだろうか」
「もう少し様子を見た方がいいのかな」

診察室にいると、こうした迷いを抱えたまま来院される方がとても多いと感じます。

実はこの“迷う気持ち”そのものは、とても自然なものです。

町のお医者さんとして、

今回は病院に行くかどうか迷ったときに大切にしてほしい「視点」をお話しします。

多くの方は、

「命に関わる病気だったら行く」

「大したことなさそうなら行かない」

と考えがちです。

でも、医療の現場では、その判断を患者さん一人で行う必要はありません。

病院は「診断がついてから行く場所」ではなく、

「判断に迷ったときに使っていい場所」です。

年齢に関係なく、次のような場合は受診をおすすめします。

  • いつもと違う状態が数日続いている
  • 痛みや不調で普段の生活がしづらい
  • 夜、症状が気になって眠れない
  • 自分より周囲の人が心配している
  • 理由は分からないが不安が消えない

「うまく説明できない不調」でも構いません。

診察室では、はっきりした言葉になっていなくても大丈夫です。

医師から「様子を見ましょう」と言われると、

「何もしてもらえなかった」とガッカリされる方もいます。

しかし、これは決して「放置」ではありません。

もし不安なら、一歩踏み込んでこう聞いてみてください。
「どんな変化が出たら、また来ればいいですか?」

「どのくらいの期間なら待っていいのか」

「再受診の目安」を医師と一緒に決めることも、大切な医療の一部なのです。

「忙しいから」

「周りに迷惑をかけそうだから」

「大げさだと思われたくないから」こうした理由で受診を控える方も少なくありません。

でも町の診療所では、

軽い相談の段階で来てくれた方が、結果的に負担が少ないことも多いのです。

私たちは、「この程度で来なくてよかったのに」とは思いません。

むしろ、「早めに来てくれて安心しました」と思うことの方がずっと多いのです。

病院は、具合が悪くなりきってから行く場所ではありません。

「迷ったときが、受診のタイミング」です。

  1. 迷うのは当たり前。自分一人で判断しなくていい。
  2. 「なんとなく不安」は、立派な受診理由になる。
  3. 病院は「相談」のために使っていい場所。

このお話が、あなたの安心につながれば幸いです。

参考・引用元(内容の考え方の参考として)
※以下は本文を作成する際の医学的考え方の参考資料であり、本文はこれらをそのまま引用したものではありません。
厚生労働省「上手な医療のかかり方」
日本医師会「かかりつけ医を持ちましょう」
総務省消防庁「救急車を呼ぶか迷ったときの判断の目安(#7119)」
NHS(英国国民保健サービス)“When to see a doctor” に関する一般向けガイダンス

【重要】 医療上の責任について
本コラムは、医療に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療方針を示すものではありません。症状や体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ず医師または医療機関にご相談ください。
緊急性が高いと感じる場合は、迷わず救急車や、各自治体の救急電話相談(#7119(救急安心センター事業)など)を利用してください。「異常なし」と診断された後でも、症状が急変した場合や、耐えがたい痛み、意識の低下などがある場合は、速やかに医療機関に連絡するか、救急車(119番)を検討してください。
掲載内容は2026年1月現在の情報に基づいています。本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いかねます。

著者プロフィール
梶原 直央
当院管理医師 内科・外科医師
(元東京医科大学呼吸器外科教授)

日常診療では、病気そのものだけでなく、生活背景や不安も含めた相談を大切にしている。
本連載では、医療情報があふれる時代だからこそ、「何を基準に考えればいいのか」「どこまで心配しなくていいのか」を町のお医者さんの視点で伝えている。

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