- 2026年2月26日
- 2026年3月3日
第4回 この症状、救急外来に行くべき? 夜間・休日の「受診の迷い」への処方箋
- この症状、救急外来に行くべき?
- 夜間・休日の「受診の迷い」への処方箋
■ 「朝まで待てるかな……」その迷いに寄り添います
皆さん、こんにちは。町のお医者さんです。
夜中や休日に、自分や大切な家族が急に体調を崩してしまったとき。
「救急車を呼ぶほどではないかも」
「でも、万が一のことがあったら……」
と、心細い気持ちで時計を見つめた経験はありませんか?
今回は、救急外来に行くべきかどうか迷ったときの、
「具体的な判断基準」と「心の持ちよう」についてお話しします。
■ 「大したことない」は、私たちが判断することです
「こんな症状で救急外来に行ったら迷惑かも」
と遠慮される方がいますが、そんな風に思わないでください。
救急外来の役割は、差し迫った命の危険を回避することだけではありません。
「今すぐ専門的な処置が必要な状態ではない」ことを確認し、
皆さんに「安心」を持ち帰っていただくことも、私たち医療従事者の大切な仕事です。
ためらわずに頼ってください。
【重要】迷わずすぐに受診・通報してほしいサイン
以下の症状が現れたときは、たとえ深夜であっても、
ためらわずに救急外来を受診するか、119番通報をしてください。
- 突然の、経験したことのない激しい痛み:
「頭をバットで殴られたような痛み」
「胸が締め付けられるような激痛」
「今までにない種類の腹痛」など
- 呼吸の異常:息苦しくて横になれない、ゼーゼーと音がする、唇の色が悪い
- 意識や体の動きの異変:話しかけても視線が合わない、
言葉がおかしい(ろれつが回らない)、片方の手足に急に力が入らなくなった
- 水分が摂れない状態:激しい嘔吐や下痢が続き、水すら口にできない
■「数値」だけでなく、「あなたの直感」も大切な判断基準
立派な理由になります。
- 「とにかく不安でたまらない」:不安そのものがストレスとなり、体の回復を妨げることもあります。
- 「朝まで痛みに耐えられる自信がない」:痛みの感じ方は人それぞれです。無理をする必要はありません。
- 「もしもの時、一人きりで対応できない」:一人暮らしなどで、症状が悪化した時に動けない状況なら、早めの受診が安全です。
■ 迷ったときの「電話相談窓口」を登録しておこう
2026年現在、専門家に「今すぐ病院に行くべきか」を相談できる便利な公的窓口が普及しています。スマホの連絡先に登録しておくだけで、いざという時の心強い「お守り」になります。
- 大人の急な病気やけがの相談は: #7119(救急安心センター事業)
- お子さんの急な体調不良の相談は: #8000(子ども医療電話相談事業)
これらの窓口は、行くべきか迷っている状況で、看護師や医師からアドバイスを受けることができます。
■ まとめ:その夜の不安を一人で耐えないで
私たちは、皆さんが救急外来に来て「何事もなくて良かったですね」と笑顔で帰っていただけるのが一番嬉しいのです。
「こんなことで……」と思わずに、まずは専門家の力を借りてください。
ただし、救急外来はあくまで「今を乗り切るための応急処置」の場です。
夜間の急変を乗り越えて落ち着いたら、
翌日改めて、いつもの「かかりつけ医」にしっかり経過を診てもらいましょう。
参考・引用元(内容の考え方の参考として)
※以下は本文を作成する際の医学的考え方の参考資料であり、本文はこれらをそのまま引用したものではありません。
総務省消防庁「救急車利用マニュアル」
公益社団法人 日本医師会「救急医療」に関するページを参考にしました。
米国疾病予防管理センター(CDC)公式サイトwww.cdc.gov
【重要】 医療上の責任について
本コラムは、医療に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療方針を示すものではありません。症状や体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ず医師または医療機関にご相談ください。
緊急性が高いと感じる場合は、迷わず救急車や、各自治体の救急電話相談(#7119(救急安心センター事業)など)を利用してください。「いつもと明らかに違う」「様子がおかしい」と感じる場合は、本コラムの内容にかかわらず、直ちに救急通報(119番)を行うか、医療機関に連絡してください。
掲載内容は2026年1月の情報に基づいています。本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いかねます。
著者プロフィール
梶原 直央
当院管理医師 内科・外科医師
(元東京医科大学呼吸器外科教授)
日常診療では、病気そのものだけでなく、生活背景や不安も含めた相談を大切にしている。
本連載では、医療情報があふれる時代だからこそ、「何を基準に考えればいいのか」「どこまで心配しなくていいのか」を町のお医者さんの視点で伝えている。