• 2026年6月4日

<第2章>第4回 疲れやすさは病気?それとも生活の問題?

~「以前より疲れやすくなった」と感じたときの考え方~

こんにちは。町のお医者さんです。

「先生、最近なんだか疲れが取れなくて……」
診察室で伺うお悩みの中でも、特にお聞きするのがこの言葉です。

「疲れ」は誰もが経験するもの。だからこそ、多くの人が「これくらいで病院に行くなんて大げさかな」と、一人で抱え込んでしまいがちです。

確かに、睡眠不足や不規則な生活、あるいは運動不足による体力の衰えなど、日常生活に原因があることは珍しくありません。しかし、その「だるさ」の中に、体からの切実なSOSが隠れていることもあります。

今回は、その疲れが「受診すべきサイン」かどうかを見分けるヒントをお話しします。

単なる過労や「生活のせい」と決めつけず、一度相談に来てほしいのは、次のような「疲れ方」です。

  1. 「休んでも」回復しない:週末にしっかり寝たはずなのに、月曜の朝から体が鉛のように重い。
  2. 日常生活に支障が出ている:これまでは普通にできていた家事、買い物、仕事が、おっくうで手に付かない。
  3. 他の症状を伴う:少し動くだけで「息切れ」や「動悸」がする、あるいは急に「体重が増減した」など。

これらは単なる疲れではなく、体が出している「イエローカード」かもしれません。

疲れやすさの背景には、貧血、糖尿病、甲状腺の病気、あるいは「心の不調」など、自分では気づきにくい原因が潜んでいることがあります。

一方で、検査をしても医学的な異常が見つからないことも多いのが「疲れ」の難しいところです。しかし、「異常がない=問題ない」ではありません。

「病気ではないことが分かって安心した」

「今の生活のどこを見直せばいいか、医師と一緒に作戦を立てられた」

これだけでも、受診する大きな価値があるのです。

「ただ疲れているだけで、病院に行ってもいいのかな?」
そう思う必要は、全くありません。

「以前より疲れやすくなった」という感覚は、あなたの体が送ってくれている大切なメッセージです。私たちは、そのメッセージを一緒に読み解くパートナーです。

原因が病気であれ、生活習慣であれ、あなたが「つらい」と感じているなら、それは相談する立派な理由になります。

一人で抱え込まず、今の状況をそのまま話しに来てください。

参考・引用元(内容の考え方の参考として)
※以下は本文を作成する際の医学的考え方の参考資料であり、本文はこれらをそのまま引用したものではありません。
·  疲労のメカニズムと休養の重要性について
厚生労働省 e-ヘルスネット:休養・こころの健康
mhlw.go.jp
·  疲れ(倦怠感)を伴う代表的な病気について
一般社団法人 日本臨床内科医会:疲れ(倦怠感)
japha.jp
·  医師による倦怠感の診断アプローチ
一般社団法人 日本内科学会:倦怠感を主訴とする患者への対応(目安として参照)
naika.or.jp

【重要】 医療上の責任について
本コラムは、医療に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療方針を示すものではありません。症状や体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ず医師または医療機関にご相談ください。
「疲れ」に加えて、激しい胸の痛み、突然の強い脱力感、激しい気分の落ち込みなどがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
掲載内容は執筆時点の情報に基づいています。本記事の情報を利用した結果生じたいかなる損害についても、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いかねます。

著者プロフィール
梶原 直央
当院管理医師 内科・外科医師
(元東京医科大学呼吸器外科教授)

日常診療では、病気そのものだけでなく、生活背景や不安も含めた相談を大切にしている。
本連載では、医療情報があふれる時代だからこそ、「何を基準に考えればいいのか」「どこまで心配しなくていいのか」を町のお医者さんの視点で伝えている。

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